2012年06月10日
障 子
こんにちは。 菊池建設の sugar です。
今日は住宅には欠かせない建具の中でも特に「障子」についてお話しします。

< 代表的な障子:荒間障子 >
しょうじの「障」は、「遮る」「隔てる」「塞ぐ」などの意味を持ちます。
障子とは元来、縁側の内側、窓、室内の境に建てる建具を総称するものでした。
古い時代では、現在の襖(ふすま)を「障子」、現在の障子を「明り障子」と呼び、区別していました。
「襖(ふすま)」が「障子」と呼ばれていたなんて、なんだか不思議ですね。
障子は、遠く平安時代から日本人の暮らしに溶け込み、豊かな文化を育んできました。
この障子に代表される「引き戸」の文化は西洋にはない東洋の文化なのです。
この障子もこれまでに様々な素材や機能、造形美をふんだんにとり入れて来ました。
そして今日、現代的なインテリアとして大いに見直されています。
和室はもちろん、洋室やホテル、マンションの内装、高層建築など、新しい分野へと広がっています。
今、障子の美しさと機能性が改めて注目されているのです。
< 障子の特徴 >
1.やわらかな光でお部屋を包みます。
半透明の和紙を貼った障子は、直射日光を適度にさえぎり、丁度半分くらい(40~50%)を 透過させます。
見た目には日当たりの感じを残しながら、日光を遮るという、優れた特性を持っています。
障子に差し込んだ光は、各方面に拡散して、部屋全体を均等に明るくしてくれます。
窓際だけ明るくまぶしく、奥は薄暗いという強いコントラストをなくします。
やわらかな均一した光で部屋全体を包み、照明の均質度を高めます。
2.自然の風合い、幾何学的なラインの美しさ。
障子の素材は「木と紙」・・・障子は自然感あふれる現代のインテリアです。
この木の桟と白い紙の織りなすテクスチャに加え、幾何学的な美しさが、室内の空間をきりっと引き締め、ひとつのポイントを作ります。
また、貼り替えるごとに全く新しく、さらにイメージの変化も楽しめます。
3.夜間照明効果を高めます。
夜の障子は壁の一部となり、照明の光が反射して、室内の照明効果を大幅にアップします。
障子紙の反射率は50~60%。柱や建具の色とよく調和して美しい空間をつくり出します。
4.冬暖かく、夏涼しく。省エネに役立ちます。
障子は、日射を遮蔽し吸収するのでガラス窓(透過率:約90%)に比べ、流入熱を2分の1程度に減少します。
冷房時には、日射による負荷がかなりの部分を占めているので、省エネルギー効果が期待できます。
暖房時には、夜間の放射冷却を防ぎ、局部的な冷輻射(れいふくしゃ:窓だけが他と比べて極端に低温となる)も低減されます。
室内側を熱伝導率の低い木製建具とすると、金属サッシの二重窓よりも熱損失の面で有利です。
5.室内を快適にコントールします。
暖房が利いている部屋の中でも、窓の近くで足腰が冷えることがあります。
これをコールド・ドラフトといいます。壁や窓などによって冷された空気が下がり、床近くに流れをつくります。
この対策として有効なのが内障子。空気が下がり直接ガラス面に触れないので、室内空気の冷却によるコールド・ドラフトが大幅に減るからです。
また、障子は多孔性という障子紙の特質によって、ごく自然なかたちで、換気と清浄化を行っています。
さらに吸湿性もあるため、室内の温度変化を抑えています。
障子は湿度の高い日本の住宅に適した建具ということができます。
< 雪見障子と猫間障子の違い >
障子の下半分ガラスになっていて障子部分が開け閉めできるものを、一般的に「雪見障子」といいいます。
ただし、実は地域などによって名称が曖昧であり、擦り上げ障子が付いているのもを「猫間障子」、無いものを「雪見障子」と区別している場合もありますので、注意が必要です。)
というわけで、戦後、住宅も洋風化が進んで来て現在に至るわけですが、この障子の長所を今一度見直して、取り入れてみてはいかがでしょうか?
(以上、 sugar こと 相川正也 でした。)
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今日は住宅には欠かせない建具の中でも特に「障子」についてお話しします。

< 代表的な障子:荒間障子 >
しょうじの「障」は、「遮る」「隔てる」「塞ぐ」などの意味を持ちます。
障子とは元来、縁側の内側、窓、室内の境に建てる建具を総称するものでした。
古い時代では、現在の襖(ふすま)を「障子」、現在の障子を「明り障子」と呼び、区別していました。
「襖(ふすま)」が「障子」と呼ばれていたなんて、なんだか不思議ですね。
障子は、遠く平安時代から日本人の暮らしに溶け込み、豊かな文化を育んできました。
この障子に代表される「引き戸」の文化は西洋にはない東洋の文化なのです。
この障子もこれまでに様々な素材や機能、造形美をふんだんにとり入れて来ました。
そして今日、現代的なインテリアとして大いに見直されています。
和室はもちろん、洋室やホテル、マンションの内装、高層建築など、新しい分野へと広がっています。
今、障子の美しさと機能性が改めて注目されているのです。
< 障子の特徴 >
1.やわらかな光でお部屋を包みます。
半透明の和紙を貼った障子は、直射日光を適度にさえぎり、丁度半分くらい(40~50%)を 透過させます。
見た目には日当たりの感じを残しながら、日光を遮るという、優れた特性を持っています。
障子に差し込んだ光は、各方面に拡散して、部屋全体を均等に明るくしてくれます。
窓際だけ明るくまぶしく、奥は薄暗いという強いコントラストをなくします。
やわらかな均一した光で部屋全体を包み、照明の均質度を高めます。
2.自然の風合い、幾何学的なラインの美しさ。
障子の素材は「木と紙」・・・障子は自然感あふれる現代のインテリアです。
この木の桟と白い紙の織りなすテクスチャに加え、幾何学的な美しさが、室内の空間をきりっと引き締め、ひとつのポイントを作ります。
また、貼り替えるごとに全く新しく、さらにイメージの変化も楽しめます。
3.夜間照明効果を高めます。
夜の障子は壁の一部となり、照明の光が反射して、室内の照明効果を大幅にアップします。
障子紙の反射率は50~60%。柱や建具の色とよく調和して美しい空間をつくり出します。
4.冬暖かく、夏涼しく。省エネに役立ちます。
障子は、日射を遮蔽し吸収するのでガラス窓(透過率:約90%)に比べ、流入熱を2分の1程度に減少します。
冷房時には、日射による負荷がかなりの部分を占めているので、省エネルギー効果が期待できます。
暖房時には、夜間の放射冷却を防ぎ、局部的な冷輻射(れいふくしゃ:窓だけが他と比べて極端に低温となる)も低減されます。
室内側を熱伝導率の低い木製建具とすると、金属サッシの二重窓よりも熱損失の面で有利です。
5.室内を快適にコントールします。
暖房が利いている部屋の中でも、窓の近くで足腰が冷えることがあります。
これをコールド・ドラフトといいます。壁や窓などによって冷された空気が下がり、床近くに流れをつくります。
この対策として有効なのが内障子。空気が下がり直接ガラス面に触れないので、室内空気の冷却によるコールド・ドラフトが大幅に減るからです。
また、障子は多孔性という障子紙の特質によって、ごく自然なかたちで、換気と清浄化を行っています。
さらに吸湿性もあるため、室内の温度変化を抑えています。
障子は湿度の高い日本の住宅に適した建具ということができます。
< 雪見障子と猫間障子の違い >
障子の下半分ガラスになっていて障子部分が開け閉めできるものを、一般的に「雪見障子」といいいます。
ただし、実は地域などによって名称が曖昧であり、擦り上げ障子が付いているのもを「猫間障子」、無いものを「雪見障子」と区別している場合もありますので、注意が必要です。)
というわけで、戦後、住宅も洋風化が進んで来て現在に至るわけですが、この障子の長所を今一度見直して、取り入れてみてはいかがでしょうか?
(以上、 sugar こと 相川正也 でした。)
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Posted by スタッフブログ『ひのき同好会』 at 15:31│Comments(0)
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