2012年05月10日

塗り壁のはなし ②

こんにちは。 菊池建設の sugar です。


今日は先日の続きで「塗り壁」についてお話ししたいと思います。
「塗り壁」の代表的な種類とその特徴とともにご紹介しましょう。


「塗り壁」には「漆喰(しっくい)」「土壁」「繊維壁」などに分類されます。


◆「漆喰(しっくい)」

塗り壁のはなし ②
漆喰(しっくい)は、消石灰に砂と糊などを混ぜ、ひび割れを防ぐため麻などの繊維質を加えて水で練り上げた、日本独特の塗り壁仕上げです。
城郭や土蔵などに多様された仕上げです。住宅では、室内の壁以外に以前は押入れの内壁にもよく使われていました。
耐火性、耐久性に優れ、特に調湿性に優れています。
湿度を調節し、室内に湿気を溜め込まないので、防カビ・防ダニの効果もあります。
また、原材料は天然素材ばかりなので、室内環境の原因となる有害化学物質を発生させない人に優しい壁材です。廃棄しても天然素材なので自然に還るため、地球環境にも優しいと言えます。
基本的には漆喰(しっくい)は白色ですが、色土や顔料(ベンガラなど)を加えたものもあり、色のバリエーションを楽しむこともできます。
最近では、クロス張りの上から塗れる漆喰も登場していますのでリフォームの方にも身近なものになりました。


◆「土 壁(つちかべ)」
土壁とは、和風建築の伝統的な壁の一つで、土を使用して造られる左官仕上げの壁の総称です。
別名「京壁(きょうかべ)」とも言われ、数寄屋建築や茶室の壁に多く用いられています。
仕上げである「上塗り」の土の種類によって「じゅらく壁」「大津壁」などにさらに分かれます。
最近、自然素材として見直されている「珪藻土(けいそうど)」も土壁の一種です。

 ◇「じゅらく壁」

塗り壁のはなし ②
「じゅらく壁」は元々かの豊臣秀吉が京都に「聚楽第(じゅらくだい)」を築造した際、その地から出た土を壁に使い、それを「じゅらく土」と言ったのが始まりだと言います。その後、この京都の近辺で産出した土を用いた塗り壁のことを指すようになりましたが、現在ではきめの細かい砂壁状の仕上げとなる壁を指します。
和室と言えば、「じゅらく壁」と言われるほど、和室での内装材の代名詞にもなっています。
耐火性に優れ、年月を経過してもなお落ち着きと温かみのある独特の風合いが好まれています。

 ◇「珪藻土(けいそうど)」

塗り壁のはなし ②
珪藻土とは、海や湖などに生息していた単細胞の植物プランクトンの死骸が堆積して出来た土層から採取されるもので、シックハウスの原因と言われるホルムアルデヒドの吸着・分解をする効果があります。
この他、保温性・断熱性に優れ、多孔質であることから、遮音性・吸湿性が高く、シックハウスを避けたいと考える方々から、最近は特に人気が高い塗り壁です。やや、クラックが入りやすいのが難点ですが、それでも前述の効果を期待して用いる方は多いです。




というわけで、「塗り壁」と一口に言いますがなかなかに奥深いものです。


次回はその他の塗り壁についてです。
お楽しみに。

(以上、 sugar こと 相川正也 でした。)
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