2011年10月11日

建築探訪 ~「法隆寺(ほうりゅうじ)」その4

こんにちは!菊池建設の sugar こと、相川正也です。

日本中の建築物の中から「おっ!これはっ!」というモノを紹介する建築探訪の第五回目は、 前回に引き続き、奈良の「法隆寺(ほうりゅうじ)」を取り上げてみたいと思います。

前回の「建築探訪」では、法隆寺の七不思議について解説しました。
もう一度、その七不思議をおさらいしてみましょう。

「法隆寺の七不思議」とは・・・
 ① 南大門の前に「鯛石(たいいし)」とよばれる意味不明の大きな石がある。
 ② 法隆寺には蜘蛛が巣を張ったことがない。
 ③ 雨だれが穴をあけるべき地面に穴があかない。
 ④ 法隆寺の「因可池(よるかのいけ)」にいる蛙には片目がない。
 ⑤ 五重塔の上に大鎌がささっている。
 ⑥ 夢殿の「礼磐(らいばん:坊さんがすわる石)」の下に汗をかいている。
 ⑦ 不思議な「伏蔵(ふくぞう)」という隠された蔵がある。

この7つの内、①~④までを前回はお話ししました。

今日はその続きです。

残りの3つが個人的に非常に興味をそそられるのです。

まず⑤.
五重塔の上に大鎌がささっている、というものですが、まずはどんなものか写真を見て検証してみましょう。

建築探訪 ~「法隆寺(ほうりゅうじ)」その4
< 五重塔 >

この五重塔の先っちょにご注目ください。



建築探訪 ~「法隆寺(ほうりゅうじ)」その4
< 相輪 >

この天を貫くような先っちょの部分を「相輪(そうりん)」と言うのですが、この相輪の部分だけでも10mあるんです。
すごいですね。
で、ここをよく見ると、根元に4本の鎌が刺さっているのがわかります。
1本2mにも及ぶ、大鎌です。

何故、こんな所に大きな鎌が4本も刺さっているのか?
これが謎だと言われているのです。

実はこれ、雷をよせつけず、大風を切るといわれているのです。
当時は、雷は一種の魔物の仕業だと信じられていました。科学の未発達な当時のことですから、その頃の人々が何かそういう魔物の仕業だと思ったのは合点がいきます。その魔物の仕業である雷から、塔を守るためにつくられたのだと思われます。
それにしても、なんとシュールな考え方なのでしょうか!
「かまいたち」というのがありますが、魔物が空からとどろくような轟音と稲光で襲ってくるのなら、こちらはこの大鎌で対抗しようじゃねーか!ってことですもんね。

⑥の「夢殿の『礼磐(らいばん:坊さんがすわる石)』の下に汗をかいている」というのは、僧侶がお経を唱えるために座る台を「礼盤(らいばん)」というのですが、夢殿にあるこの礼盤の下(正面は救世観音のお堂)は、何故かいつも湿気がたまり汗をかいている状態だと伝えられているのです。この理由がわからず、謎だというのですが、職員に聞いたところ、実際は普段からよく乾いているんです・・・・・とのこと。(カクッ!)
なんだ!汗なんかかいてないのか!と、肩すかしを喰らったところで、次に行きましょ!

⑦の「不思議な『伏蔵(ふくぞう)』という隠された蔵がある」です。
これが最大の謎だと思います。

敷地内の何の変哲もないところに、2メートル四方ほどで膝くらいの高さの柵が、何の説明もなく道の途中の中途半端な場所に、作られているのです。
知らなければ、なんだろなぁ?と首を傾げつつもそのまま通り過ぎてしまうような柵です。

建築探訪 ~「法隆寺(ほうりゅうじ)」その4

実は、以前は 「此の寺の栄を見れば埋め置く。蔵開くべき世は遥かなり。」 と書かれた立て札が柵の横に添えられていたのです。
どうやら、この柵の下には、隠された蔵があるようです。
これが「伏蔵(ふくぞう)」と呼ばれる、地下の蔵なのです。
実はこれと同じような伏蔵が法隆寺内では、ここのほかに金堂内陣、経蔵内と3ヶ所ある、と言われています。

聖徳太子の遺言で造られたと言われるこの蔵には、法隆寺が何らかの被害を被り、存続の危機に晒されたときのために、多くの財宝が納められているとと伝えられています。

この伝説は真実なのか?

実は正式にこの蔵の発掘調査がなされたという記録はありません。

蔵が本当にあるとすれば、少なくとも千数百年前のものと思われます。
内部にいったい何が納められているのか?
これほど想像力をかきたてられる謎はありません。

もしかすると、この蔵を開けるだけで、法隆寺の創建にまつわる謎がすべて解明されるかもしれないわけですから・・・

それほどの謎がこの三伏蔵にはあると、思いたいのです。
でも、発掘調査はまずなされないだろうと思いきや、法隆寺には発掘調査の可能性が無くはないのです。
現に、最近、五重塔の調査では心柱の下から舎利容器や人骨などが発見されています。
近い将来にこの伏蔵が発掘調査される可能性は、充分にあるのです。

そのときにいったい何が発見されるのでしょうか?
なんだかワクワクします!

ここにも大いなるロマンがありました。
.



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