2015年01月09日

ひのきは何故よいか?

こんにちは。菊池建設の sugar です。

日頃から気になっていたことや、わからないままにしていたことを解明するシリーズ(?)である「日常の世迷言」ですが、今日も以前から気になっていたことについて、お話しします。



今日は「檜(ひのき)」についてです。



一見とても頑丈そうに見える鉄筋コンクリートの建物。
しかし、時間を重ねる内に鉄は錆び、コンクリートは劣化していきます。
日本建築学会の調査によると、築後40年も経たないうちに、鉄筋コンクリートの建物の半分以上は取り壊されているといいます。

鉄骨造りの建物も防錆加工をしていると言っても、鉄骨と鉄骨を連結するボルトのみぞ部分はボルトを締め付ける時にその加工が剥がれてしまい、そこから錆が発生して広がって行くといいます。



では、どんな建物が長持ちするのか?


我が国には世界に誇る建造物があります。

その一つが、世界遺産にもまた国宝にも指定されている西暦607年(推古15年)に推古天皇と聖徳太子が奈良の斑鳩(いかるが)の里に開いた「法隆寺」です。

ひのきは何故よいか?
  < 法隆寺 五重の塔 >

中でも「五重の塔」は建立から1300年以上を経て、今もなお建ち続けている世界最古の木造建造物です。

何故、これほどまでに長持ちしているのか?

それは「木」それも「檜(ひのき)」で造られているからこそ、人類の遺産となった建築物なのです。
同じ木造だったとしても、もし他の樹種の木で造られていたとすれば、これほどまでに長持ちし得なかったと言われています。

ひのきは何故よいか?
  < 檜の森 >

この「五重の塔」は何度も修復されているのも事実ですが、柱や梁(はり)、桁(けた)など、骨組みの中でも肝心な部所は創建当時の檜(ひのき)であり、どれも樹齢1000年以上のものなのです。
それが1300年以上経っても朽ちることがないのです。

修復工事に携わった名棟梁として名高い故・西岡常一さんによれば、その古材の表面をカンナで削ると、ヒノキ独特の香りを放ったといいます。

「檜は1300年以上経っても生きている。」
ここに檜ならではの半永久的とも言える強靭さの秘密があります。

実験によると、檜の曲げ、圧縮などの強さは、伐られてから200年ほどの間にだんだん強くなって最大30%も強度が増し、1000年くらい経って新材と同じ強度に戻ります。
つまり、育った年月の約2倍の年数は、その強度を保ち続けるのです。

一般的に日本の檜は植えられてからほぼ60年を経た時期に伐採され、柱などの建材になります。(最近はそれよりも短い期間で伐採してしまう会社も残念ながらあるようですが・・・)
法隆寺とまではいかないまでも、世代を超えて100年以上は確実に強度を保つ家が、この檜を使えば建てられるのです。


ところで、現在の住宅には国が定めている「日本住宅性能評価基準」があります。
どれくらい長持ちするか?の指標となる「劣化の軽減」、つまりどのくらい劣化が少なくて済むか?についての等級で、檜は75年から90年も長持ちすることが認められており、弊社の建物は一番高いグレードの「等級3」を得ています。

せっかく建てる家ならば、末永く住み続けられる家にしたいもの。
であれば、できるだけ檜をふんだんに用いた家を造るべきであることを、法隆寺の「五重の塔」は教えてくれているのです。

ひのきは何故よいか?
  < 檜づくりの菊池建設の家 >


それだけ長持ちする家というのは、たとえ傷みが出てくるにしても、数年で出て来るのではなく、もっとゆっくりと出て来ます。
つまり、それだけ修繕箇所や修繕回数も少なくて済むわけで、それだけメンテナンスに手間やお金を掛けなくて済むことでしょう。
こういう観点からも家づくりを考えて欲しいと思うのです。

この点は、是非これから家を建てようと考えていらっしゃる方には知っていただきたい大事なポイントだと思います。
長い目でみますと、檜をふんだんに用いた家は決して高い家ではないということを・・・。







※ 「木の達人が語る家づくりのための木の話」 監修:中尾由一  より一部引用

(以上、 sugar こと 相川正也 でした。)
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