2014年04月06日

法隆寺

こんにちは。菊池建設の sugar です。

日頃から気になっていたことや、わからないままにしていたことを解明するシリーズ(?)である「日常の世迷言」ですが、今日も以前から気になっていたことについて、お話しします。


で、今日のお話しは「法隆寺」です。

法隆寺


このお寺は以前にも少しお話したように、謎が付きまとっているのです。
(2011年9月22日の記事 → http://kikuchistaffblog.eshizuoka.jp/d2011-09.html )  ・・・のかなり下の記事です。

官寺の四大寺というものがあるのですが、これは大安寺(大官大寺)、薬師寺、法興寺(飛鳥寺)、弘福寺(川原寺)の四つです。

世界文化遺産にも指定されている「法隆寺」は、金堂、五重塔、夢殿、大講堂、百済観音堂などあれだけ豪華とも言える絢爛たる建物群を配しており、これら四大寺と比べても遥かに規模も豪華さも上を行っているのに、不思議なことにこの四大寺には入っていません。
お寺の格としてはこの四大寺のすぐ下だったのです。

法隆寺
  < 夢 殿 >

法隆寺
  < 五重塔と金堂 >

法隆寺
  < 大講堂 >

そして、後に大寺が四大寺から五大寺に変わったのですが、それでもそれに加えられることはありませんでした。
さらに後年、それが六大寺に変わっても相変わらず、それらに準ずる格しか与えられなかったのです。
言わば万年二軍の筆頭といったところです。
これは何故なのか?




この図式は、実は「出雲大社」の神社としての格に酷似しているのです。


法隆寺
  < 出雲大社 >


出雲大社に実際に行ったことはなくても出雲大社を知らない日本人はよもや居ないと思いますが、そのぐらい有名なこの出雲大社は「延喜式」という平安時代中期に編纂された格式(律令の施行細則)において、やはり法隆寺と同じように二軍の中の上位の神社にしか過ぎない扱いなのです。



これについてはいろいろな論がありますが、この両者に共通するのは、語弊を恐れずに言うとすれば、共に誰かを鎮魂する建物であるということです

出雲大社が祀っているのは、大黒様で知られている「オオクニヌシノミコト」。
そして法隆寺に祀られているのは、「聖徳太子」なのです。

そしてこの「オオクニヌシノミコト」と「聖徳太子」の共通点といえば、共に恨みを持って亡くなった方だということです。

オオクニヌシノミコトは「古事記」によれば、断腸の思いでニニギノミコトに「国譲り」をするのですが、その際に次のように言うのです。

「もはやこうなってはこの国をあなたに差し上げましょう。ただし、自分の住居を天つ神の御子の住居のように立派に大きく太くしてくれれば、自分は安らかに隠れるであろう。」と。

こうして、オオクニヌシノミコトはお隠れになられた(亡くなられた)のです。
この大きな神の死の代償が、出雲大社という荘厳な建築物となったわけです。
ですから、ここ出雲大社にはオオクニヌシノミコトの死霊(それも計り知れない恨みを持って死を選んだ)が祀られているのです。

一方、聖徳太子はどうでしょうか?
聖徳太子は自身の死の時には特に恨みを持つような事件は無かったと言われています。
しかし・・・

その後、643年に、太子の息子である山背大兄王(やましろのおおえのおう)が蘇我入鹿一味によって一族郎党ともども惨殺されるという事件が起きました。(この事件の後、中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)達によってこの犯人である蘇我入鹿と蘇我蝦夷の殺害という事件、つまり「大化の改新」が起きるわけですが)
そして、この事件で太子の子孫は断絶したのです。
それを知ったら、天国の聖徳太子は如何に思われたことでしょう。
おそらくは憤慨し、怒り、大きな恨みを持ったに違いありません。




というわけで、法隆寺と出雲大社はそれぞれお寺と神社という違いはありますが、共に恨みを持った方を祀っている建物であると言えるのです。

そして、二軍の筆頭の格式を持った建物になってはいるけれど、決して一軍にはなれない宿命を持っていると言えるのです。
それは、上記のような「恨み」「死」という共通のイメージが関わっているからなのではないでしょうか。


恨みを持った死霊を鎮魂するための「豪華過ぎるほど豪華で絢爛な」建物。
これだけの建物を建造するのには莫大な費用がかかったに違いありません。
それでも「誰か」が造ったのです。

ではいったい誰が、何のためにこの法隆寺を建てたのか?




ここまでこのように考えて来ますと、実は法隆寺に隠された謎が少しずつ解きほぐれてくるのです。


その話しは、またいつか・・・




(以上、 sugar こと 相川正也 でした。)
.

  ※ 参考文献   梅原 猛著   「隠された十字架 ~法隆寺論」  新潮社


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