2015年04月19日

ハインリッヒの法則

こんにちは。菊池建設の sugar です。

日頃から気になっていたことや、わからないままにしていたことを解明するシリーズ(?)である「日常の世迷言」ですが、今日も以前から気になっていたことについて、お話しします。


今日は「ハインリッヒの法則」についてです。
別称として「1:29:300の法則」とも言われています。


皆さんは、10年前の2005年4月25日に起こったJR福知山線の脱線事故をご記憶でしょうか?

この事故では、107名もの死者が出ました。
これは、1951年4月に起こった旧国鉄の京浜東北線の桜木町の列車火災事故と同じ死者数で、戦後の列車事故としては史上4番目の大惨事でした。

事故の調査を進めていくと、原因はスピードの出し過ぎだということがわかりましたが、その背景にはほんのわずかな遅れも許されないという過密スケジュールや少しでも電車を遅らせると厳しく叱責される風土があったことが指摘されています。

でも、運転している運転士さんは我々と同じ人間です。
報告によると、この福知山線においても、事故の前に決まった停止線に止まれずに少しオーバーランしてしまったという経験はベテランの運転士さんを含めて、300件ほどあったのだそうです。
ただ、その一つ一つはほんのわずかなオーバーランだったため、乗降客には気づかれず、ミスとして報告されることもないのだとか。

しかし、です。
こうした小さなミスの積み重ねが、やがて重大事故を引き起こすことになるという恐ろしい法則があるのです。
「ハインリッヒの法則」というのですが、どこかで聞いたことがあるかもしれません。


これは、アメリカの損害保険会社で技術・調査部の副部長として活躍したハーバート・ウィリアム・ハインリッヒさんが発見した法則なので、このように呼ばれているのですが、彼は、医療現場や交通機関での事故を長年に渡って調査研究の結果、重大事故が1件起こった時には、その前に300件の小さなミスが起きているということを突き止めました。

小さなミスとは「もう少しで大きなミスになるところだった」とか「危うくクレームになるところだった」といった程度のもので、当人が「ヒヤリ」としたり「ハッ!」としたりするところから「ヒヤリ・ハット」とも呼ばれています。

この段階で、注意を喚起することが肝要で、そうすれば大事故の防止につながるとハインリッヒは説いています。

前述の福知山線の脱線事故を「ハインリッヒの法則」に当てはめて考えますと、その前にあったほんのわずかなオーバーランがヒヤリ・ハットに当たり、これらに適切な対処をしておけばあの大事故には至らなかったということになります。


実は、この「ハインリッヒの法則」には300という数字の他にもう一つ鍵を握る数字があります。
その数字とは「29」。

29件の小さな事故が起きると、次には重大事故が起こる可能性が飛躍的に高まるというのです。
つまり、1件の重大事故の影には、29件の小さな事故があり、さらにその前には300件の異常が隠れているのだそうです。

これはハインリッヒがいた当時に彼自身が集積したデータに基づく数字なので、現在では多少この数字にも変化があるかもしれませんが、かなりこの法則には信憑性があるのだと言います。

この「ハインリッヒの法則」は別称「1:29:300の法則」とも呼ばれていますが、知っていて損はないと思います。

ハインリッヒの法則


これを知っていれば、自分自身のこころの戒めにもなりますでしょうし、なによりそれによって事故やトラブルが避けられるのであれば、それに越したことはありませんからね。

要するに、小さなミスがあったら、謙虚に認めて、改める姿勢が大切だということですね。



(以上、 sugar こと 相川正也 でした。)



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